全国的に災害も報道されている中で、今日の札幌は朝からしとしと降ったり止んだり。厚い雲の下で、霧がかったような一日でした。
天気のいい日でも調子の悪いことがあるから、雨のせいばかりにもできないけれど、相変わらず寝ても寝ても眠い日々。それでも夕方頃少し起きて、ぼんやり窓の外を眺めていました。
重いグレーの空気がゆっくりと水浅葱(みずあさぎ)になって、紺鼠(こんねず)から深縹(こきはなだ)の色になっていく。そこに雨で濡れた車のライトが、鮮やかに流れていく。
視界の一番遠くにある場所と、私までの間の大気の層。
人が暮らしている気配、音、色、それを包む水を含んだ、柔らかくて果てしない空。
雨に濡れたヨーロッパの、新しいものとと古いものが交ざりあった裏道を眺めているような感覚。
うぅぅーん、抽象的な表現しかでてこないよぉぉ(笑)。
物語を書く時、この空気感ががないととても世界が薄っぺらな感じがします。立体感がない。
文字は二次元の紙(やモニター)の中だけれど、そこで生きている人達は、奥行きのある三次元の世界にいる……。
音の広がりがある、匂いがある。水と光と、肌触りや、熱がある。痛みや心地よさがある。そこに感情が乗っていく。
意思が生まれて物語が動き出す。
今、長くその感覚を忘れていて、今、ひとつずつ思い出しているような感じです。
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