一ヵ月後、家族が増えます。
嬉しい反面不安だったり、思うように体が動かなくていらだたしかったり。また周囲には喜んでもらえたり、反対されたり(笑)と、いろいろなことがあった9ヶ月。今もひーひー言いながら、たくさん助けてもらってどうにかこうにかここまできました。後は無理せず、その時を待つだけですよ。
とりあえず、腰……痛いです。この年まで腰痛とは無縁だったのにー。
お子様に内臓のスペースとられて、もとい圧迫されて、食事もままならなくなっています。胸焼けやら吐き気で、ここに来て体重マイナスはいかんですよ。横になっていても心臓パクパクいっちゃいますよ。
体が冷えると体調悪くなってくるので、着膨れ状態です(笑)
元気なのは嬉しいのですが、元気すぎてお腹の皮を破りそう。痛ててててて……。
ぜーはーぜーは……。
それでも横になりながら、未来の子供達にはこんな話を伝えたい……と思うと、わくわくしてきます。
大変なこともたくさんあるだろうけど、当分は稼働率50%くらいに抑えて、きたる最強お子様に備えたいかと思いますよー。
久々お出かけで、いっぱい歩いた本日。(しかもそういう日に限ってまた大雪。明け方まで除雪車が賑やかでしたよ)やっとお会いできた先輩に贈り物を渡して、ゆっくり、楽しい話なんぞもして、満足したのか夕方電池が切れました。バタリ。
夢うつつに見たのは近所の裏路地。……なのに見たことも無い、趣のある建物が続く商店街で、ふと、向かいの建物の二階を望むと、少し昭和レトロな喫茶店内が見えました。
飴色のライトの中で楽しげに話をする人達。
ゆったりとした黄昏時。
時代を止めたような喫茶店から隣の建物、雑貨店の二階へと視線を移し、更に斜め向かえのビルを見上げると、空に向かった大きなガラス張りの小さなレストランが見えてきました。
お客さんの姿は見えないけれどモダンな椅子やテーブルが並んでいます。美術館のロビーのような、静寂の空間。そこに座って静かに食事をしたりお茶したり……お気に入りの本を開いて、大きな窓の外の青い空を見上げる……。
そんなひと時を想像しただけで、ほっとするような開放感に嬉しくなりました。
見えたシーンはたったそれだけなのだけれど、やけに印象に残る映像だったのですよ。
いつか、お話のワンシーンに盛り込めたらいいなぁ。
子供の頃に慣れ親しんだ、少し薄暗い空の、なんでもない一日が過ぎていく音。毎日がトラブル続きで、常に何が起こるかわからず緊張を強いられていたより前、何も変哲の無い時間の積み重ねが、実はとても大切だったのだと思う今日この頃です。
こう、毎日大きな変化や刺激が無いと、自分が停止してしまうように感じていた時は、いつも何かに追われて追いつこうとして焦っては空回りしていたように感じます。本当はなんでもない日の中にも小さな変化と積み重ねがあって、その小さな変化にも気づくことができれば、追われることなく取りこぼすことなく、前に進んでゆけるのにね。
とあるバレーボール漫画に、「丁寧に生きろ」 という言葉がありましたが、この感覚がそれなのかな。
夕べ家族とのんびりテレビを見ながら、まるで普通の家みたいだ……と今更ながらに実感して、少し驚いたりしました。もう何ヶ月も前から、この生活をしていているのに(笑)
同時になんでもない日を大切にできるのは幸せなことなのだと、改めて感じたのでした。
革命(改革といった方がいいかな?)という言葉だけは今の日本にも溢れているけれど、この一篇と私達が知る世界とは全く違う。単に国の違いや人種、時代背景というたものだけではなく、貧困に喘ぐ人々の現状とそれを打破しようとする……噴火前の火山のようなエネルギーのようなもの。「戦う」というより「疲弊している」と現代とは、時代の流れを変えていく力の違いを見たように感じました。
勿論、それはジャック・ロンドンの表現力でもあるのだと思います。
派手な描写はなく、ただ一人のメキシコ人青年の姿を綴っていく。その寡黙な様は革命組織の仲間ですら不気味に思うほどで、主人公を理解、受け入れようとするより距離をおいてその行方を見守っているような流れが逆に、青年の中の圧力を表現しているのだと感じました。
その圧力はラストで一気に爆発するのですが。この力強さが、作品の力でもあるのかと。
一篇読んでは、ゆっくり吸収して、また次の短編を読みたいかと思いますー。
1巻毎、というよりシリーズ全体を通してこそ深みのある作品だと感じたので、全巻読み終えてからの読書めもです。休み休みだったせいか、年末頃からずっと読み進めていて、えらく時間がかかってしまいましたよ。
内容は読みにくかったり、難しかったり、していたわけではないのですけれど。最近は重い作風の著書や映像を見ることが多かったせいか、物語前半の明るさに、少し面食らっていた部分があったのかも知れません。
王子の置かれた苦難の状況は、決して「軽い」わけではないのですが、王子自身の性格と周りのキャラクターのノリを見ていると、「いいのか !? そんなに軽くて!」な感じで、違和感があったのかも……。
結局は、そのキャラの振る舞いを含めたすべてが、伏線だったんですけれどね!
徐々に加速して、ラスト3巻は二日で読み倒したような気がします(笑)
簡単なあらすじとしては――、魔物が跋扈する世界の中でも平和な国に生まれた王子カイルロッドが、ある日城を抜け出し下町で一夜を過ごした夜明け、突然に街の人が石化してしまっていた! 無事だったのは王子と、王子と一緒に酒を飲んでいた魔女見習いのミランシャ、そしてがさつな傭兵ふうの剣士イルダーナフ。
人々を石にした犯人が魔道士ムルトと知った一行は、呪いを解くため魔道士を倒す旅に出る――。
というわけで、過酷な珍道中が始まるのですよ。ちなみに「卵王子」とは、卵から生まれた王子という曰くありげな出生からついたあだ名(?)だったりします。
シリーズを通して、どんなアプローチで始めると読者が入り込みやすいのかなぁ……、キャラの位置や役割、テンポというのを反芻しながら読んでいたように思います。それと伏線の重要さね。
またしばらく経ったら、もう一度読み直してみると楽しいだろうなぁ、思いましたですよ。
昨年12月中旬、北海道新聞の名作料理店なる書籍を紹介する記事で、20世紀の初めに書かれたアメリカの作家、ジャック・ロンドン著(柴田元幸訳)の「火を熾(おこ)す」の紹介を読んで久々に好奇心がむくむくと湧き上がってきました。
早速、というほどではなかったのですが、年末に書店に探しに行ったところ、出版社でも品切れという中で本州の書店に在庫があることがわかり、やっと取り寄せてもらったのですよ。
極寒、白夜のカナダの平原を、仲間との合流点に向けてひたすら歩き続ける男の短編。
気温は華氏-70度(摂氏にして-45.6度)。男に付き従うのは一匹の犬のみ。死の危険と隣り合わせに、1本のマッチから火を熾す――。
-45℃以下の世界なんて、北海道にいても体験できません。体験なんぞしたら、死にます(笑) バナナで釘どころじゃないことだけは知識としてわかるのですが、少しずつ人としての感覚が消失していく様は、背中がぞくぞくしてきましたよ。
焼けるような痛みこそが生きている証で、極寒を行く人の姿を見つめる半野生の狼犬。
-10℃あまりでも鼻の中がひっつく感じや冷気で涙がにじむ、あの自然の前には何も太刀打ちできない感覚が蘇ってきます。
そんな世界の短編ひとつ読み終わっただけで、これだから小説は楽しいのだと、わきわきしてしまいましたよ(笑) 他にも8作の短編が収録されているので、ゆっくり、じっくり、読んでいこうと思います。