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生存報告になりつつ、Photoとか読書メモとか日々のこと。
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群来と書いて 「くき」 と読みます。
日本海に押し寄せるニシンの大群が産卵して、海が白くなることを呼ぶそうです。

病院の本棚に見つけた なかにし礼著 の 「兄弟」 の中に、増毛 (ましけ) に押し寄せた群来のくだりがあり、ふとこれはファンタジーだと感じました。

冬の北海道。海の潮風と生臭い魚の匂い。
網にニシンが入ったなら一日で100万の稼ぎになる、と言って三日間の網代(かかった魚の権利)を買った主人公の兄は、勝手に祖母の家を担保にして30万のお金を借りる。終戦直後、1945年(昭和20年)頃、米10kg 6~150円 という時代で100万の価値は想像できないのだけれど。群来を描写した60年前のリアルは今の空想世界だと感じるのです。

小樽のニシン御殿を見に行ったこともあるし、番屋を見学したこともある。けれどそれはあくまで博物館としてで、漁師が寝泊りして山のような魚に溢れた世界じゃない。
乱獲か環境の変化か近年ではほとんど魚が取れなくなり、私が知るニシンといえばビニールパックに入った切り身程度です。この物語の世界はこの地に存在してないのだと……。


今朝の新聞に、ここ数年、ニシンが獲れ始めていると載っていました。
三年前には50年前の群来を思い出させるような豊漁で、その当時の稚魚が確実に帰ってきているらしく、来年以降では再び群来が見られるかもしれないとの事です。

網目を大きくして若い魚を逃がす、サケのように稚魚を放流する。昭和20年代のような泥の匂いはないかも知れないけれど、四月になる前に一度、北の海を見に行くのもいいかもしれないと、病院の窓際で思いました。
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ちいさな紅い宝石
オリジナル開設おめでとうございます。
「金の魚」私ならとりあへず、一緒に水風呂に入ってしまいそうです。ずっと後の地球なのでしょうか。人口知能というと「月は無慈悲な夜の女王」や「イルとクラムジー」を思い出します。つづき楽しみです。いきなり大人にはしないで欲しいなぁ。
「柘榴」自分ならどんな華なのだろう、と想像してみたり。いいですね。夜の木々や華の香りが伝わって来ました。柘榴は小さいころ、母が八百屋で一個だけ買ってくれました。ちいさな紅い宝石みたいなつぶつぶが、あんまり綺麗で、口に入れるのがもったいないと思ったのを思い出しました。
今週はインフルエンザの看病で家に閉じ込められて、本読みの日々ですが、図書館で借りた「モリー先生との火曜日」がとても良かったです。ちょっと切なくて、スゴク考えさせられた本でした。
カイさんもお身体お大事に。
また色々なお話を読ませてください。
いーすたぁ 2007/03/22(Thu)22:54:00 編集
感想ありがとうございます
早速のメッセージ、ありがとうございます。
1年以上前から構想しながらずっと形にできずにおりました。

遺跡に刻まれるような過去の世界も、人工知能体が普通に存在するような未来も、人であるかぎり営みは大きく変わらないように感じます。人も花も、精一杯咲いて、実を結べたらと思いを込めて。

インフルエンザ、お見舞い申し上げます。

そしてまた、お勧めの本などありましたら、ぜひぜひお知らせください。まずは「月は無慈悲な夜の女王」や「イルとクラムジー」から読んでみたいと思うしだいです。(笑)
kai 2007/05/04 15:28
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